神経症の種類と症状
神経症、つまり神経症性障害は、過度の疲労やストレスなどの原因により、心理的な影響が生じ「不安」な感情が根底にあるさまざまな心身の機能障害の総称です。
神経症が精神病と違う点は、神経症の人は症状を自覚し「これではいけない」という葛藤を感じながら治そうという意欲があります。また、「他人には知られたくない」という思考のもと表面的には普通の生活を送っている場合が少なくありません。しかし、強い不安を感じるため、日常生活に支障をきたしてしまうこともあります。
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では神経症にはどのような種類があるのでしょうか?神経症の種類には、
(1)身体的な不安(死の恐怖)。例えば、【不安神経症】・・・主に不安が症状。漠然といつも不安を感じる慢性的な不安と、過呼吸などの呼吸困難、はげしい動悸などの突発的な発作などが起きる場合があります。また【胃腸神経症】【疾病恐怖】【不眠神経症】【心気症神経症】などがあります。
(2)社会的な不安(恥の恐怖)。例えば、【対人恐怖症】【場面恐怖症】【会合恐怖症】【ふるえ恐怖症】などがあります。
(3)安全性に対する不安(もしもの恐怖) 例えば、【不潔恐怖症】【不完全恐怖症】【縁起恐怖】【過失恐怖症】などがあります。
そのほか、先端への恐怖、隙間への恐怖などの「恐怖症」、また肉親との死別、失恋、失業などを機に発症し気分的に憂うつな状態が継続されてしまう「抑うつ神経症」、少しの体調の悪さによって、そのことが重大な病気であるかのように思いこんでしまう「心気症」。自分がわからなくなってしまうという現実感のないような症状を示す「離人神経症」などがあります。また【強迫神経症】のように、どれだけ考えないようにしても、ある考えがしつこく浮かんできたり、またある行為を繰り返さないといられない、という強迫めいた考えにとらわれ苦しむこともあります。【ヒステリー】も神経症に分類されます。心理学者フロイトはこのヒステリーを研究して、心の葛藤から徐々に疾病が生じることを実験して精神分析を学問として確立しました。
これらの神経症の治療の際には、普通精神療法や抗不安剤、抗うつ剤などを用います。